私の頭の中の消しゴム アナザーレター・メイキング

2006年04月26日まで、GyaOで配信されていたドラマ「私の頭の中の消しゴム アナザーレター」のメイキングを文字起こししたものです。

3回に分けての配信で、第1回は田中圭くん、第2回は袴田吉彦さん、第3回は香椎由宇ちゃんのインタビューが入っています。


ドラマ本編は、2006年06月07日に配信が終了していますが、DVD化もされています。

(DVDに、このメイキング映像が入っているかどうかは未確認。)


紗季=香椎由宇さん、周一=袴田吉彦さん、圭介=田中圭さん


■第1回 圭介編

【ナレーション】

映画「私の頭の中の消しゴム」では描かれなかった、究極のピュアな3人の恋愛を描く、「アナザーレター」。果たして、その内容とは…?


【企画:木村元子さん インタビュー】

「一番最初に連続ドラマでやらせていただいて、その後韓国で映画になって、それぞれ色んな描き方をしたんですけれども、主人公の女性がいて、忘れていってしまう現在の彼がいて、昔付き合っていた彼っていうのがいて、その3人の三角関係っていうのを1回やってみたくて。これは実は、ドラマでも映画でも描ききれなかった部分で、そこに焦点を当ててやってみました。」


【ナレーション】

映画以上に深くせつないラブストーリーが展開するこのドラマは、舞台を日本に移し撮影された。

若年性アルツハイマーという病に侵される主人公を務めるのは、今若手実力派女優として注目を集める、香椎由宇。

その元恋人役を演じるのは、人気急上昇中の若手俳優、田中圭。

また、献身的に彼女を支える恋人役には、実力派俳優、袴田吉彦。


≪それぞれ、クランクインの模様が流れます。圭くんは病院にて。≫


お互いがお互いを思うからこそ生まれる、せつない三角関係。

そのキーとなるのが、映画ではほとんど描かれなかった、主人公の元恋人 圭介の存在。

今回は、そんな圭介に注目してお送りします。


紗季と圭介は、幼い頃から一緒に育ち、お互いに初めての恋心を持ち合った。

紗季が高校生の頃、2人は付き合い始めるが、絵の勉強をしたいという紗季を東京に送り出し、2人は遠距離恋愛に…。

離れていても、支え合い、続けていけると思っていた。

しかし、圭介は研修医として働く中で、医療の理想と現実の壁、患者の死へのダメージなど、様々な問題に直面していく。

そんな苦しい時、そばに居てくれた菜穂子に心惹かれてしまい、紗季に別れを告げる。

そして2年後、その恋人とも別れ、1人になった圭介の元に、東京に行っていたはずの紗季が突然現れる。その時、紗季には新しい恋人 周一がいた。

しかし、紗季は圭介に対し、驚くべき行動を取る。


≪本編のワンシーン (酔っ払って、お店の前で風にあたっている圭介と紗季。)≫

紗季「気持ちいい~」

圭介「お前、本当大丈夫か?」

紗季「ん~…キスしてくれたら治る」


その時既に、紗季は病に侵されていた。


【圭くん インタビュー】

「今回のこの作品で言うと、やっぱり辛いのっていうのは、圭介より周一のほうが絶対的に辛いと思うんですよ。でも圭介も圭介で、もちろん大切な人がそういう風になってくっていうものを目の当たりにして、守ってあげたいけど、自分が守っていいのか、自分が守ってはいけないのか、とか…。その人のそばに居てあげるべきなのか、それとも居ちゃいけないのか、とか…。相手の事を助けたいとか、守りたいとか思うが故に、悩んで傷ついて暴走したりとか、そういう事しちゃうと思うんですけど…。」


―――もし自分の彼女が、アルツハイマーだと知ったら?

「その質問は凄い難しい質問なんでね!(苦笑)、なんて言っていいか分かんないんですけど、、自分だったら…凄い迷うっていうか。何したらいいか分かんないし、何も出来ない自分の無力さもあるし。」


―――圭介に共感できる点は?

「結局圭介は、『君と一緒に2年前に戻ろうと思った』っていう風に言ったりするし、そこら辺はあんまり正直好きじゃないし、僕的には。なんでだろうな‥って思ってたんですけど。だからそういう所は全然共感出来なかったんですけど、4話で、周一と口論して、、」

≪本編のワンシーン (圭介が周一の胸倉を掴みながら)≫

圭介「なんで、紗季はあんたを忘れるんだ?どうしていつも2年前に戻るんだよ!」

「たぶんあれは周一にぶつけている訳でもなく、もちろん自分自身にもぶつけてると思うし、その4話のそこの部分を読んでから、1話2話3話の、圭介のする行動なりとか、苦しみなりとかが、ちょっとなりとも共感できたかなって思いますね。」


≪崖の上でのコメント撮影。風が強くてちょっと寒そう^^;≫


【ナレーション】

病気のせいで、2年前、まだ圭介と付き合っていた頃に戻る紗季。

しかし、今の紗季には心から愛する人がいる。


≪泣くシーンの前に、気持ちを高めている圭くん。

スタッフさんが撮影の準備を進める中、観光案内板(?)の影でうずくまってます。

そして撮影へ。 泣き崩れる圭介。≫


圭介が紗季の病気の事を知った時、新たなドラマが動き始める。


【圭くん】

「相手の事を本当に幸せにしたいと思ってるんだけど、幸せに出来ない自分がいたりとか、幸せにならない何か理由(わけ)があったりとか。そういうのでみんな苦しんだり、そういうそれぞれの思いが、どう決着するのかなっていうのは、見所っていうか、僕自身の楽しみでもあるんですけど。」


■第2回 周一編

【ナレーション】

日本中が泣いた映画「私の頭の中の消しゴム」。あの映画が、GyaO完全オリジナルドラマとして帰ってくる。全く新しいストーリーでお送りするこのドラマは、映画以上に、深くせつない、究極のPureな3人のラブストーリーとなっている。


【制作発表】

2006年3月13日、制作発表が行われた。


―――どんな役柄ですか?

香椎「若年性アルツハイマーというものにかかってしまい、新しい記憶からどんどん忘れていく‥そんな病気になってしまった女の子。…すごく大雑把なんですけど(苦笑)、そういう女の子です。」

田中「松本圭介と言って、香椎由宇ちゃん演じる紗季の昔の恋人で、幼なじみでずーっと一緒に居た、昔の恋人役を演じさせて頂いてます。」

袴田「成瀬周一役をやらせて頂きます。紗季の現在の恋人をやらせて頂いております、袴田吉彦です。よろしくお願いします。」


―――消してしまいたい記憶は?

香椎「‥ないです! あります?」 ≪持っていたマイクを圭くんに向ける由宇ちゃん≫

田中「僕は‥あの~…、僕の中での悪い記憶っていうのは、とっくに消しゴムが入ってるんで(笑)、僕は特にないです。」

袴田「下田のロケの時に、皆でボーリングをしまして、香椎さんにダブルスコアを‥くらった事はちょっと消しときたいかな、みたいな(苦笑)」


なんと、香椎さんは5回連続のストライクを決め、198点を叩き出した!

2位の田中圭さんは、130点。

そして最下位の袴田吉彦さんは、98点…!

最下位になった袴田さんには罰ゲームが。

それは、2人の為に“1日マネージャー”を務めるという事。


≪圭くんに防寒用のジャンバーを着せてあげる袴田さん≫


袴田「今日は忙しいぞ~(苦笑)」


≪台本とジャンバーを抱え、走り回る袴田さん。

撮影中セリフを忘れ、「あれ?」と照れ笑いの由宇ちゃん。

さぁ袴田マネージャーの出番です! 台本を持って駆けつけます。≫


香椎「なんでしたっけ?」

袴田「おばあちゃん‥(のセリフの所?)」

香椎「おばあちゃんじゃない!(笑) あ、『困るもん!』。」

袴田「で、『おばあちゃんの病気を…』」

香椎「はい、ありがとうございます!」

袴田「≪田中くんのセリフは‥≫」

田中「僕は大丈夫です!(笑)」


【袴田さん インタビュー】

「一番最初台本を読んだ時に、こう‥涙が出たセリフがあって、良いセリフだなっていうか、こういう事を言える男になりたいなって思うセリフがあって。」


≪本編のワンシーン (周一が紗季を後ろから抱きしめながら)≫

周一「俺が紗季の記憶になるよ‥。」


果たして、映画では描かれなかった新たなストーリーとは‥?


【脚本:松田裕子さん インタビュー】

「3人それぞれが、愛する人の幸せを考えて行動を起こす所があるので、そこに至る心情と、あと3人揃って、良いシーンがラストのほうにあるんですけれども、そこが一番見て欲しい所です。」


【ナレーション】

3人が織り成す、せつない三角関係を描く、「アナザーレター」。

今回は、アルツハイマーという病に侵された主人公 紗季を、献身的に支える現在の恋人・周一の視点からお送りします。


周一は、外資系証券会社の投資銀行部でM&Aを担当し、年収1億円と言われるやり手である。

無愛想で冷淡。他人に、そして自分にすら興味が無い。

人にも、お金にも、生きることにすら執着心が無い。

そんな周一が紗季と出会い、その無邪気さに、ひたむきで真っ直ぐな愛に触れ、次第に心を開いていく。そんな時、紗季がアルツハイマーに侵されている事を知る。


【袴田さん インタビュー】

―――そんな周一に共感できる点は?

「周一‥みたいな人間、男になりたいなって。そのぐらい人を愛するって事ができるような人間になりたいなっていうのは、今凄い思ってて。共感っていうよりは、理想ですよね。」


映画と違い、このドラマでは、紗季が病気になったところから始まる。

徐々に紗季の病気は進行していく。

そして…。


≪本編のワンシーン (圭介と一緒にいる紗季を、連れ戻そうとする周一)≫

周一「紗季!俺だよ‥」

紗季「どなたですか?!」

≪周一に怯え、圭介の所へ戻って行ってしまう紗季。≫


―――もし自分の彼女がアルツハイマーだと知ったら?

「愛してる人に忘れられるのは、一番苦しいかなって思います。僕自身としては、思い出を忘れられるというよりも、今現在の、2人で居る事だったり、自分(袴田さん)の存在だったりっていうのが忘れられるのが、辛いですねぇ。」


―――袴田さんが考える、永遠の愛とは?

「難しいですねぇ~。言い方を変えると、凄い苦しいことなのかもしれないし、人を思いやるって事、愛する事って、本当に苦しいことなのかなとは思うんですけど。まぁ今の時点で、僕はそれぐらいしか分からないですねぇ。まだまだなんで(苦笑)」


紗季との愛を貫こうとする周一であったが‥


≪本編のワンシーン≫

圭介「紗季は‥今日もこの前も、いつも2年前に戻る。それって、紗季にとって一番思いの強い時間が、俺と一緒に居た時間だって事じゃないのか?」

周一「…違う!」

圭介「だから俺と居た時間に戻るんだよ!紗季の病気は、思いの強い事程、記憶に残るんだから‥」

周一「…」

周一「羨ましいよ。紗季の記憶に残れるお前が。」


そして周一は、驚くべき決断をする。


【袴田さん】

「本当にこの作品をやってて、愛っていうのが、生きてく中で全てに通じるのかなっていうのを、凄い感じれるドラマだと思うので、是非みなさん、楽しんで、泣いて、笑って、見ていただきたいと思います。」


■第3回 紗季編

【ナレーション】

GyaO開局一周年記念、完全オリジナル作品として制作された「私の頭の中の消しゴム アナザーレター」。映画以上に切ないこの物語は、主人公の女性、昔の恋人、現在の恋人という、3人それぞれに感情移入して見る事ができるドラマとなっている。

いよいよ放送間近に迫った今回は、直前スペシャルとして、主人公・紗季の視点からお送りします。


幼い頃、事故で両親を亡くし、祖父に育てられた紗季。

しかし、周りの人の温かい気持ちに支えられ、明るく育った。

そして高校の時、幼なじみだった圭介と付き合いだした。

絵が大好きだった紗季は、絵の勉強の為、東京に行きたいと思っていたが、地元の病院に就職した圭介と、離れ離れになる事を悩んでいた。

そんな紗季の背中を押してくれたのは、他ならぬ圭介だった。

しかし、その後圭介には新しい恋人が出来、2人は別れる。

そして2年後…

紗季は圭介と再会する。


【香椎由宇ちゃん インタビュー】

―――宮下紗季とはどんな人ですか?

「すごい明るい子ですね。すごいプラス思考で、滅多に弱音を吐かないような女の子。」


―――自分との共通点は?

「プラス‥思考ですよ、私も。たぶん。(笑) そこは似てると思います。」


【ナレーション】

圭介と別れた1年後、紗季は周一と出会い、新たな恋に落ちる。

周一によって、圭介との別れの傷が癒えた頃、若年性アルツハイマーに侵されている事を知る。


≪本編のワンシーン (病院にて)≫

紗季「いつまで、私は私で居られますか?」

記憶が徐々に無くなっていく恐怖に怯えながら、周一の献身的な愛に包まれて守られ、幸せな日々を送っていくかに思えたのだが…


≪周一が紗季を後ろから抱きしめながら≫

周一「俺が紗季の記憶になるよ‥」


2年ぶりに帰った故郷で、紗季の病気は進行していく。


≪圭介と一緒にいる紗季を、連れ戻そうとする周一≫

紗季「嫌だ‥圭介…!(泣)」

周一「紗季!俺だよ‥」

紗季「どなたですか?!」

≪周一に怯え、圭介の所へ戻って行ってしまう紗季。≫

記憶を失っている間紗季は、2年前、圭介と付き合っていた時に戻ってしまう。

紗季自身は、その事に気づいていなかったのだが…


【香椎由宇ちゃん インタビュー】

「紗季が辛いのは、たぶん…自分が意識が無い時に周りを傷つけている、その(記憶が)無いという事が、周りに与えるショックというか、を知った時が一番辛いですね。」


そんな紗季を演じる香椎由宇さんの取り組みは、半端ではない。


≪撮影風景≫

紗季「ごめんね、周一…。ごめん‥」

≪周一の手を握り締めながら、紗季が泣きながら謝るシーン。

カットの声がかかった後、自分から「もう1回!」と申し出る由宇ちゃん。≫

自分が納得できる演技になるまで、決して妥協はしない。

香椎「何でこっちの目から(涙が)出ないの‥?!(苦笑)」

(どうやら、自分の涙腺にご立腹な様子で‥^^;)


【監督:村谷嘉則さん インタビュー】

「テーマはアルツハイマーですけど、暗くないはず! 僕はそう思ってます。シビアなシーンはたくさんあるし、泣いて悲しんでるシーン、いっぱいありますけど、『暗かったね』『悲しかったね』っていう事よりも、『よかったね』『友情っていいよね』『愛っていいよね』って思ってくれたら、幸いかなぁって思いますけどね。」


≪再び、紗季が泣くシーンを撮影中。≫

紗季「どうして病気になんなきゃいけないのよ!」

香椎「…もう一回やっていいですか?」


そんな香椎さんの演技に対して、監督は‥

「紗季という役に関して、僕は一番難しいって正直思うんですけども、上手く“対 周一”“対 圭介”に対しても、見事に、違う紗季を演じてるので、、」


≪本編のワンシーン (周一が圭介を殴り、)≫

周一「紗季は病気なんだ!!」

圭介「だから本当の気持ちが出るんだろ?!」

周一「…。」


自分の出ないシーンでも、真剣に2人の演技を見つめていた。

香椎「ずーっと見ちゃった(笑)」


【香椎由宇ちゃん インタビュー】

―――圭介のような男性をどう思いますか?

「2年前の圭介みたいな人は、好きですよ。今の圭介も好きですけど、でも‥個人的には、多分‥“すごく仲のいい親友”みたいな関係で終わると思います(笑)」


―――周一のような男性をどう思いますか?

「憧れますけどね。すごく。んー…紗季のセリフの中で、『初めは、なんて無愛想な人だと思った。でも周一の笑顔を見た時に、この人が自分の運命の人だと思った』っていうセリフがあるんですけど、それを言える紗季は凄い幸せそうだなぁ~と思って。そういう‥周一という人には憧れますね。」


≪撮影現場。(圭くんが近づいてきて、ちょっとふざけた感じで、)≫

圭介「どうなんだよ、紗季!」

スタッフ「ハハハハッ(笑)」

圭介「実際のところ、どうなんだよ!」

紗季「紗季は、おじいちゃんが一番好きなの‥ハートマーク」

圭介「おぉー、そうかっ」

全員「ハハハッ(笑)」


【アンダーグラフからのコメント】

このドラマで、主題歌・挿入歌を担当するのは、アンダーグラフ。

「大切な人がね、そういう‥記憶が無くなっていくという病にもし侵された時に、僕らは、自分達はどう考えるだろうという事を、真剣に考えて言葉にしたので、自分に置き換えて考える人がいれば、それを聞いて欲しいなと思うのと、、『真面目過ぎる君へ』という曲は、僕らが東京に出てきて3年ぐらいメジャーデビュー全く出来ずに、途方にくれた時に自然と生まれてきた曲でして、すごく不安な思いを持ってる人とかね、これから先行き詰ってるなって人には、是非聞いて欲しいなと思う曲になってるので、サウンド含めて、メッセージ性も聞いてもらえたら嬉しいなと、思っております。」


【ナレーション】

病気の事を知りながら、全てを受け入れてくれた周一。

しかし、紗季が記憶を失っている間自分のしている事を、知ってしまった時、、紗季の運命は、大きく動き始める…。


【香椎由宇ちゃん インタビュー】

「紗季が、巻き込んでしまう色々なもの、色々なことが、どう変わっていったり、どう周りに‥色々影響を与えてしまうか。それを見て、紗季がどうなるのか。みんなのストーリーを見て、家族の中にアルツハイマーがいる方だったり‥が、『いいなぁ』と思えるような、終わり方だったり、にしたいと思ってるんで。」


周一「俺が、お前の記憶になるよ‥。」


君を守りたい…

その思いは同じだった…


私の頭の中の消しゴム アナザーレター、いよいよ4月26日放送開始!


≪以上。≫


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